ゲームタイトル:Emptiness Play プレイヤーは空っぽのバーチャル空間で遊び、演奏し、演じ、世界を相対化しながら境界を超えて自由になる。 ゲームの形式シングルプレイ(分身とのプレイ)、またはマルチプレイによる対戦と演奏が融合したMR / VRゲームです。 ゲームの内容このゲームはプレイヤーがゲーム空間内にある「確率ゲームシステム」を棒で叩き、ランダムに出現する様々なゲーム・音楽アイテムを選択していき、相手より先に「勝利ゲージ」を満たした方が勝利する対戦と演奏が融合したMR / VRゲームです。ただし、「確率ゲームシステム」を叩くことにより、「ゲーム」に「ノンゲーム」が混在していき、ゲームのルール自体が相対化され、通常のゲームから逸脱していきます。ゲームにおいて絶対的であるルールが相対化されることにより、遊びながら「遊びとは何か」「絶対とは何か」が問われていく哲学的要素を持つVR/MRゲームです。 ゲームのポイント同一のゲーム空間の下、「ゲーム」と「ノンゲーム」が同時に重ね合わさり、ぶつかり合います。しかし、相手が「ゲーム」をプレイ中か「ノンゲーム」をプレイ中かは各ルールの下でプレイする各プレイヤーには明示されません。お互いのルールがズレた時、相手にとって予測不能なアクションになり、逆にルールがマッチした瞬間の一体感が、ゲームへの熱中と熱狂を呼び起こします。そしてお互いの勝敗を決めるルールが消え去るとき、創造的自由は境界を超えて、未知の体験そのものとなります。これらが混然一体となり、これまでにない新しいゲーム・音楽・アートが、創造され体験されます。 目的と意図1この世界に絶対的なものは存在せず、すべては相対的な関係によって成り立ち、なおかつ、それらは等価であるという“絶対的”な自然の理をプレイヤーがゲームを通じて自覚的に体験することを意図しています。2多様な文化・思想・倫理観などを持つ異なる存在同士が交わり合う場においてのコミュニケーションのあり方を、プレイヤーがゲームを通じて体験的にシミュレーションすることを意図しています。3新しいゲーム・音楽・アートの創造と体験を目的にしています。 インスパイア元本作は、龍樹『中論』における「空」の思想、荘子『斉物論篇』『逍遥遊篇』の相対化と自由の精神、ロジェ・カイヨワ『遊びと人間』の遊戯論から強くインスパイアされています。さらに、量子力学が示す「相互依存性」「絶対的実在の否定」、そしてプランク定数による普遍的基準といった科学的認識も重ね合わせ、思想と科学の両面から作品世界を形づくっていきます。 テスト映像 テスト映像1. 音声入力プレイヤーがVR/MRヘッドセットのマイクに話しかけると、分身(対戦相手)が言葉を音声認識して音声合成で再発話し、同時にその言葉が3Dオブジェクト化して空間に落下する挙動のテストです。生成AIを用いて喋った内容をリアルタイムで解析・判定すれば、言葉のポジネガ度や刺さり度などのスコアリングが可能になり、ゲーム化できます。2. マルチプレイ①複数のプレイヤーが同一のオブジェクトを共有して操作するMRマルチプレイのテスト映像です。触れると音が鳴って変形するオブジェクトを突いたり、バーチャルスプレーを現実空間に噴射する姿を2台目のMRヘッドセットでとらえた映像です。3. マルチプレイ②MRのマルチプレイを2人のコンテンポラリー・ダンサーがテストしている映像です。1人が現実空間にバーチャルスプレーを噴射し、もう1人がその軌跡を手でなぞりながら踊っています。4. 分身・複製プレイヤーの動作を分身が真似し、同時に複製していくテストです。複製した側は手数が増えるため、有利になりますが、同時にリスクも増えます。5. 分身・追従プレイヤーの動作を分身が少し遅れて追従するテストです。分身の動作にノイズを入れれば、予期せぬアクションが生まれ、分身とのスリリングな対面対戦プレイが可能になります。ノイズの出現度もゲームに組み込めば、練習次第で分身(対戦相手)をある程度制御できるようにもなります。この映像は触れると音が鳴って変形するオブジェクトをプレイヤーと分身が交互に棒で突いています。